
![]() ![]() ![]() ウルトラQもウルトラマンもウルトラセブンもすべて彼の平和な社会を作るためには何が大事であるかという彼なりの思想で貫かれていたのです。 彼はこう言っています。「戦争を起こすのは人間です。しかし、それ以上に戦争を起こさない努力ができるのも人間ではないでしょうか。」。 彼は、武器を使って暴力でしか物事を解決しようとしない人間を愚かであるとし、本来人間同士の問題の解決に武器などいらない、心と心で解決できるはずだと考えていました。そういう考えは、たとえば、初代ウルトラマンのメフィラス星人が登場する回などで、武力を使った暴力ではなく、心と心の戦いでの決着を描く試みをしたりしているところにも反映されています。 現実の人間社会には、人間同士がすんなり心を通じ合わせるようにはならない条件がたくさん存在し、人と人との間には、人種の違い、文化の違いも含めて、簡単には乗り越えがたい垣根や溝ができてしまっている。人種や文化が違えば、しばしば紛争や衝突が起こるし、それが、ひいては「武力を使った暴力による解決」、すなわち「戦争」に発展して行く結果となる。だからこそ、平和な社会を作る前提として、人間同士の間にある垣根や溝を取っ払って、人と人とが素直な友情と信頼で結ばれる関係を築く努力と、そういう人間同士の関係が、健やか に発展していくことを目指すことが一番大事なんだという思想が、彼の制作したものすべてに貫かれているわけです。正義というものだって、万人に直接正義として当てはまるかというと、そう単純にいくものではない。立場が違えば、一方の正義は他方の悪であり、どちらの立場が本当の正義かというのは簡単に判断できるものではない。金城哲夫氏は、怪獣というものを、はじめから怪獣が悪で人間が善との二者択一の勧善懲悪形式では、絶対に描きませんでした。置かれてる境遇や立場の違いをどう理解し合って乗り越えていけるか。すなわち「異文化間のコミュニケーション」にこそ、平和な世の中を作り上げていく重要な鍵があるといえる。ウルトラマンもウルトラセブンも、実は、地球人と宇宙人という、文化も人種も極端に異なる存在間における友情と信頼が大きなテーマでした。ウルトラマンもウルトラセブンも、単なる「正義のため」とかいった抽象的な目的のために怪獣と戦ったのではなく、共に戦う科学特捜隊やウルトラ警備隊という地球の仲間たちとの素直な友情から、そして、敵である怪獣や侵略宇宙人と人間との間に立って、時には敵の立場にも理解を示し、人間との間で板ばさみになって何が本当の正義か悩んだりもしながら戦ったのです。WoOには、その思想がもっと凝縮された形で叩き込まれていたのでして、企画から40年という歳月の後、円谷プロの若い後輩たちが、その金城氏の思いをしっかり受け継ぎ、金城哲夫の魂を現代において、見事によみがえらせたものこそ現在放映されている「生物彗星WoO」だと思います。このお話は、主人公の中2の少女、地球人神代アイと宇宙生物WoOとの間の、育った環境を超えた友情や愛情と信頼の物語です。このお話を通じて、人間同士が、理解し合い、平和に、仲良く、心を通わせて生きていくことにとって、本当に大事なこととは何かをきっと円谷プロの若い後輩たちは、今は亡き金城哲夫氏に代わってしっかり描き出してくれるものと私は信じています。
【2006/06/06 00:00】
URL | 旧世代の一ウルトラファン #-[ 編集]
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「生物彗星 WoO」始まりましたね。NHKの自局番組宣伝は民法の比ではないって感じですけど、そのおかげで得られる情報なんかもあるから、一長一短て感じすかね。元々、WoOてのはウルトラQ以前に円谷プロで考えられていた企画で――て、こういう情報こそNHKがバンバカ流してた 『真・南海大決戦』【2006/04/10 01:42】
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